今から10年ほど前、奇跡の胴体着陸と言われた航空機事故がありました。
飛行中に前輪が出なくなってしまった飛行機。
しかし機長が見事に着陸させ、乗員・乗客への被害無し。機体の損傷も軽微なもの、という奇跡的な着陸劇。全日空1603便事故あるいは日空高知空港胴体着陸事故とも呼ばれ、今でも動画が上げられています。
何と言っても注目は、この奇跡をやってのけた全日空1603便の機長、ですよね。
ひとえにこの方の精神力と技量、判断力によるところが大きかったはずです。
今夜放送のテレビ番組でこの事故が取り上げられるそうなので、この事故と機長・今里仁さんについて調べてみました。
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全日空1603便事故(高知空港)とは?
wikipediaによるとこの全日空1603便事故は、後者の「全日空機高知空港胴体着陸事故」と呼ぶようです。
事故が起きたのは2007年の3月13日。
大阪空港を朝の8時9分に出発した全日本空輸(ANA)の1603便は、乗客56名、乗員4名とともに高知空港へ向かっていました。
この飛行機、全日空の便になっていますが、実際には子会社のエアーセントラルという会社が運航していたそうです。
機体はボンバルディア DHC8-Q400。2003年に就航した、当時としては新しい機体でした。
この1603便、高知空港の上空へさしかかり、着陸態勢をとろうとしたところ、機首下の車輪が出ない。みなさんご存知と思いますが、飛行機の首先の下から一本伸びているやつですね。これが出ない・・・ということは、両翼で接地した後、機首を設置しようとしたときに前のめりになってしまう。
トラブルを察知した機長は手動で前輪を出そうとしたり、接地してその衝撃を利用して前輪を出そうとしたりと、苦肉の策を試みます。ところがいずれもうまくいかない。
機長は、最後の手段・胴体着陸を決意。着陸時の事故にそなえ、上空を二時間ほど跳び続けて燃料を空にしたと言います。
そののち、後輪のみで滑走路に着地。そのまま機首を水平近くに保って徐々に減速し、その上でゆっくりと機首を滑走路に接触。そのまま摩擦を続けて飛行機を停止させることに成功します。
この間、日本中が固唾をのんでテレビを見守ったと言われています。
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今里仁機長はどんな人?
勇気と決断、そして素晴らしい操縦技術で大惨事を防いだ機長は、今里仁さん。当時36歳。
飛行時間は8000時間ほどの経験だったそうです。この時間がどういう意味をもつのか、素人である自分には判断できませんが、関係者によれば十分な経験だとのこと。
実際にやってのけたことを見れば、そのように思うのが自然ですね。
また、冷静沈着な人物、という評も見かけました。
これまた、そういう人でなければできなかったことでしょう。
自分などはこういう話を聞くとチェズレイ・サレンバーガー機長のハドソン川の奇跡を思い出します。ニューヨーク上空でバードストライクに遭遇、エンジンが停止したものの、ハドソン川に不時着して無事を得た航空機事故。全日空1603便事故での今里仁さんは、このハドソン川の奇跡に負けず劣らずのケースだと感じます。
今里仁さんは当時36歳ですので、おそらく1971年頃のお生まれ。
出身地は熊本県で、地元の県立高校を卒業なさった後、航空大学校へ進学しています。パイロット養成の為の独立行政法人で、学費負担が少ないことで知られていますが、当時はまだ運輸省の所属だったのではないかと思います。
今里仁機長の家族
ご両親は、父・新一さん、母・トシエさん。
家はクリーニング店を営んでいたとか。
ご兄弟は三人で、そのうちの末っ子が仁さんだそうです。
全日空1603便事故を救った今里仁機長の着陸劇がとりあげられるテレビ番組
これ以上の詳しいことはわからないのですが、今夜、今里機長の着陸劇がテレビでとりあげられるそうなので、そこであらためてスポットがあたるかも知れません。
番組のタイトルは、「戦後重大事件の新事実2017~事件発生から○年~ 全日空1603便事故」
放送時間は2017年11月29日(水)の 20時00分~22時54分で、TBS系列の放送です。
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おわりに
以上、全日空1603便事故を救った今里仁機長についての情報まとめでした。
映画にもなったハドソン川の奇跡ですが、日本にもこんな劇的な事実があったことに驚きです。
今里仁機長が今何をなさっているのかも気になりますが、番組で取り上げられるのでしょうか?
注目しましょう。
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